ネコ)は、狭義には食肉目ネコ科ネコ属に分類されるリビアヤマネコヨーロッパヤマネコ)が家畜化されたイエネコ(家猫、Felis silvestris catus)に対する通称である。イヌ(犬)と並ぶ代表的なペットとして、世界中で飼われている。広義的には、ヤマネコやネコ科動物全般を指すこともある(後述)。

定義[編集]

イエネコの起源は、ネズミを捕獲させる目的で飼われ始めたリビアヤマネコ家畜化である[1]リビアヤマネコは独立種 Felis lybica Forster1780とされることもあるが、ヨーロッパヤマネコ亜種 Felis silvestris lybica Forster1780ともされる[2]。その場合イエネコを含むヨーロッパヤマネコの学名は、記載が古いFelis catus Linnaeus1758となるのが命名上の原則である。しかしこれを原則通りに運用すると様々な支障が出ることから、2003年にICZNの強権によりFelis silvestris Schreber1777をイエネコを含むヨーロッパヤマネコの学名として使用できることが認められた(Opinion 2027[3]。つまりヨーロッパヤマネコの亜種としてのイエネコの学名は、Felis silvestris catus Linnaeus1758とすることができる。なおイエネコをヨーロッパヤマネコと別種として扱う場合には、イエネコの学名はFelis catusが正しい。

一方、広義の「ネコ」は、ネコ類(ネコ科動物)の一部、あるいはその全ての包括的分類を指し、家畜種のイエネコに加えて広義のヤマネコ類を含む。特に学術用語としては、英語の「cat」と同様、トラライオンなどといった大型種を含む全てのネコ科動物を指すことがある。

以下、本項では特記なき限りネコ=イエネコとして解説する。